主任ケアマネジャーに求められる技術はスーパービジョン?

研修

8日間の長い長い研修がおわりました。ようやく終了です。コロナ問題で5日目以降は、9月から再開しました。う~ん、長かったし疲れました( ゚Д゚)令和元年度の研修でしたが、コロナ問題で令和2年度の終了です。こんな事ってあるんですね。

研修の事務局(神奈川県介護支援 専門員協会)の皆様もお疲れさまでした。

主任ケアマネジャー更新研修を受けての感想

さて、この主任ケアマネ更新研修ですが、お決まりの事例提出は、ケアマネジャーを指導した事例ということで、どのケアマネさんも指導事例を事務局に提出しています。言葉を変えるとスーパービジョンを実践した事例ということになります。

日々の業務の中でアドバイスすることは当たり前ですが、これはスーパービジョンです。認識しているかどうかといえば認識していないです。これらを認識して行うことで、より効率的になるのだと思います。

経営者としての目線になってしますが、私なりの考え方をUPしていこうと思います。おいおい、そりゃ違うでしょ!っと思う方はそれでよいのです。

あくまで私の視点です。

スーパービジョンはどの程度、現場で取り入れられているのか?!

主任ケアマネジャー研修を受講していた時から思っていました。介護業界は、ケースが上手くいかなかった時は、スーパービジョンという援助過程(方法)が登場します。

スーパービジョンと検索してみてください。わかりやすいサイトの数はとても少ないです。

昨年度、県社協さんのスーパービジョンの研修に参加してきました。講師は大学講師です。医療現場で取り入れた実績は数字としてあるものの福祉現場ではその数字がないとの事でした。まるでない訳ではないのでしょうが、どんなに優れた援助過程(方法)でも、数字がとれないくらい取り入れられていないという事だと認識しています。

日々の業務では当たり前のように上司が部下をサポートする。これはスーパービジョンですが、取入れらていないという根拠は、このスーパービジョンが体系化されていないという事だと思います。よくある現場任せな企業が多いということではないでしょうか?具体的に言えば、ミーティング、面接、日々の相談体制等が決まっていないということです。

必要と言われながらも体系化できないということは、机上の空論と言われても仕方がありません。まだまだ、そのレベルであり、理想にははるかに追いついていない業界ということになります。

社協さんの研修自体は事例報告もあり有意義なものでした。自社の取り組みの再確認もできたので良かったです。

では、スーパービジョンを超簡単に説明します。

スーパービジョンとは

① 管理的機能

バイジーが組織の中で理念などを遵守し活動できるための機能。その名の通り管理機能です。

② 教育的機能

知識・理論や技術を再確認し、実践の場での応用力が身につき、様々な利用者に対応できる力をつけさせる。バイジーへの教育(潜在的な力を引き出すこと、自信をつけさせる等)機能。

③ 支持的機能

スーパーバイザーがバイジーを精神的に支え、バーンアウトを防ぐ機能。

※スーパーバイザー

スーパービジョンを行う人。具体的には、事務所の管理者や主任ケアマネジャーが該当します。

※バイジー

スーパービジョンを受ける人。具体的には新人ケアマネであったり、部下のケアマネジャーが該当します。

主任ケアマネジャーはスーパービジョンができるようにしましょうということで、主任ケアマネジャー更新研修ではひたすら事例を用いて講師のケアマネジャーが前で話をしながら、我々受講生は事例研究をし、事例提出したケアマネの何が課題なのかを探します。

スーパービジョンはとても有効な援助過程ですが、もっとわかりやすくしなければ広がらないだろうなと感じます。やたら学問じみた説明をするからわかりづらくなる。

『要するに』、といったところです。敷居を下げなくては広がりません。それをやるのが講師だと思います。具体的にわかりやすくする。

介護や福祉は、ソーシャルワークという専門的な知識・技術が必要です。その為、人材育成というとスーパービジョンというお堅い視点から切り込むというのが常套手段です。ですが実績としての数字は残っていない。まるでない訳ではないと思いますが、残念ですね。説得力がありません。そもそもそれが課題と言えます。

主任ケアマネジャー研修、主任ケアマネジャー更新研修を受けて私が感じる課題

課題

根本的な課題があると思います。

人を育てるにはスーパービジョンだけでは物足りない

ケアマネジャーの仕事は専門職ですし、スーパービジョンの視点はとても大事です。ですが、表面上は専門職、根本にあるのは専門知識を必要とするサービス業です。わかりづらいですが、サービス業的視点が強いのが現実です。

根っからの福祉職という人もいますが、色々な業界で働いていましたという人も少なくありません。もはやスーパービジョンだけで人が育つはずがない。

主任ケアマネジャー更新研修はひたすら事例研究で、課題を見極めるためにその中で受講生から様々な質問が出ます。「会社の中ではどういう関係なのですか?」「過去の経験は」等々、その結果、見落としていたことに気づくというパターンです。事例の中から課題を導き出し対処策を考える。とてもいいことです。

研修では事例を基に演習だけを繰り返すのではなく、しっかりと座学をやるべきです。カリキュラムにある講義ではなく、コーチング、ティーチング、アサーション、アンガーマネジメント、リーダー理論、課題分析、接遇、ホスピタリティ等、民間企業でも取り入れるような研修も併せて行う必要があると感じます。ケアマネジメントの事例を基に課題と対応策を見るけることは大事ですが、そもそもの知識・技術を活用できるセンスを磨くことが大事だと思います。感性です。感性。

個人的には福祉だ介護だというのではなく、一企業として人材育成に取り組み、その一つの要素としてスーパービジョンがあるといった程度の位置付けておく程度で十分かと思います。

見た目がへんてこな人や体形の管理ができない人など、普通にアウトです。主任ケアマネジャーとかの前にアウトです。そういったところから意識が変わらないといけないのだと思います。

私が求めているものが多いのかもしれませんね。。。多分期待してもかなわぬことだと思います。一つ言えるのはもはや誰でもケアマネジャーのできる業界ではないと思います。そんな仕事なのに人材難って困ったもんです(汗)

ケアマネジャーがケアマネジャーに教えるには限界がある

ケアマネジャーがケアマネジャーに教えるのは、専門研修Ⅰ・Ⅱ、再研修までで十分に感じます。主任ケアマネジャー研修と主任ケアマネジャー更新研修は講師クラスのケアマネジャーが多数います。今までやってきたという自負もあります。

スーパービジョンの視点はもっと少なくして、大学講師やコンサルタントが人材育成の視点で演習を含めながら講師を行う方が効果的です。あれだけ高い受講料を支払っているので、出来ないということはないと思います。

安い報酬では体系化された教育体制は構築できない

日本はソーシャルワークが根付いていな国の一つだと感じています。だからいつまでたっても福祉は医療の下です。本来は別物と思うのですが。

在宅ケアマネジャーは居宅介護支援事業所に属しており、90%近くが併設サービスを持っています。そして自社のサービスをつなぐのがケアマネジャーです。賛否ありますが、私は間違っていると思います。

ケアマネだけでは報酬も安く、会社として成り立たない為に併設サービスを展開し、売り上げを作るというのが今の仕組みです。結局は営業マンです。建前は専門職で、本音は営業マンです。偏った言い方ですが、営業マンで成り立ってしまう状況では、人材育成やスーパービジョン等は尚更広まらないと思います。それらをやらず現場任せにしたところで、利益を得られてしまうのですから。

ケアマネジャーや主任ケアマネジャーが専門職になるには、企業努力が実る業界にならなければ無理

ケアマネジャーや主任ケアマネジャーが専門職になるには、企業努力が実る業界にならなければ無理

まずは包括支援センター等の委託事業を受けた法人が、収益事業を行う際は厳格なルールを持ってほしいです。同一法人減算等やりようはあるはずです。同じ名前で委託事業と収益事業を行っていることが大問題です。公正中立と謳う介護保険ですが、まるで公正中立ではないのが実態です。行政の責任はとても大きく、それに依存しているケアマネも責任は大きいといえます。

早く企業努力が実る業界になってほしいなと感じます。質の低い企業が淘汰され時代が来るべきです。それが引いては利用者さんの大きな利益につながるのですから。

スーパービジョンを社内や地域で実践し、成長したケアマネジャーが専門性を武器に飯を食う。これが本来の姿だと思います。

専門性を謳うならこの業界が、再編されなくてはいけないのだと思います。そういったところにまで来ているのではないでしょうか?誰でも採用するような業界です。そんな業界だからこそレベルが下がるのです。そんな業界だから、ケアマネジャーの質が下がるのです。

報酬が上がり、必要な労務管理ができ、教育体制のとれる業界になれたらいいなと思います。

まとめ

研修内容と現状のケアマネ業界には大きな差異がある為、現在のカリキュラムが変わらなければ、受講したくはありません。もちろん管理者要件に関わるので受講せざるを得ない場合は、仕方ないかなと思います;^^

独自の方向性で物事を見る方が、はるかに正解に近づけると考えます。

介護保険のルールにのっとり、独自の視点で今後も居宅介護支援事業所を運営していきたいです。随分前から感じていたことですが、今回の研修を通じそれが明確になりました。

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