令和 5 年度 介護現場の生産性向上に関する普及・定着促進事業生産性向上の取組に関する介護事業所向けビギナーセミナー

縁があってビギナーセミナーに登壇させていただいたのですが、せっかくなので作成したスライドの内容をUPします。トライドとして考えていることや、行ってきたことの発表なので、『参考になるのかな?』という疑問はありましたが、お話しさせていただきました。メインは『ケアプランデータ連携システム』です。

ちなみにZOOMなので、参加者の反応は分かりません。やや残念。参加者は250名程だったと思います。専門研修の講師以来、人前で話すことがあるなんて、思ってもみませんでした(^^;)

厚労省のwebsiteにもUPされました。

発表内容はこんな感じです↓

【事業所・施設概要】

2016年11月 (株)トライドマネジメント設立

2017年2月  単独型居宅介護支援事業所 トライドケアマネジメント開所

職員:ケアマネ8名、事務員3名

取得加算:特定事業所加算Ⅰ・医療介護連携加算

利用者数:約310名  取引事業者:約230社

【業務改善への具体的な取組内容】

≪円滑な業務行う為のICT活用①≫

  • クラウド型介護ソフト(トリケアトプス)

  • スマートフォン、iPad
  • ビジネスチャット(ラインワークス)   ※弊社では必須アイテム

≪円滑な業務行う為のICT活用②≫

  • ケアプランデータ連携システム

今後間違いなく大幅な業務改善につながると感じた!その為。4/20の最速で導入しました。

≪明らかな課題≫

『とにかく紙が多い』
  • 毎月FAXで送る提供票の紙の量は利用者数が増えれば増える程膨大に。(しかもこれで半分程度)
  • ケアプランは印刷し郵送する。

※介護保険制度開始から当たり前のように行われていたローカル作業。

  • 紙の購入 → 印刷 → 事務員がFAXか郵送 → FAXについては、翌月シュレッダー。このご時勢、もう少し効率化できないものなのか?
  • 提供票は事務員がほぼ一日がかりでFAXする。しかも誤送信への配慮が必要。とにかく時間をとられる。
  • ケアマネの実績入力は半日~一日。新人であればあるほどそれ以上の時間がかかる。

⇒ とにかくこのローカル作業を何とかしたかった。

≪導入までの具体的な流れ≫

①毎週のミーティングで説明
  • 毎週のミーティングで、web上にUPされているケアプランデータ連携システムの内容を基に、何ができて、どれだけ自分たちの時間や経費、労力が削減されるかを説明
  • スタッフに説明する際は、自分たちにとってメリットがあるという事を根拠(提供票送付、ケアプラン送付、実績入力がデータで送受信できる。FAX・郵送から解放?)を明確にし説明。
  • 今までクラウド型介護ソフト・スマホ・iPad・ビジネスチャット等を使って手間が省けた経験もあり、根拠が明確であればスタッフの理解も早い。
②導入後はまず管理者が実践

  • 導入後はまず管理者が実践し、分からないこと等をサポートに電話、不明点を解消
③管理者から事務員に
  • インストールできるPCは1台だけなので、管理者から事務員にやり方を教え、現在は事務員が運用

⇒ 提供票送付はデータ連携を行い、送れない事業所にFAX。

⇒ ケアプラン送付もデータ連携を行い、送れない事業所に郵送。

【改善活動中の失敗や工夫】

≪失敗≫

  • 周囲の居宅介護支援、サービス事業所は、ケアプランデータ連携システムという言葉すら知らず、まるで認知されていなかった。
  • 言葉は知っているが、よくわかっていないようで「様子を見る」との意見も多かった。
  • 価値を理解しすぐに導入した事業所もあったが、使用している介護ソフトが、ケアプランデータ連携システムに対応しておらず、データを取り込めなかった。
  • 各事業と話して見えてきたことは、既に紙媒体での仕事が当たり前になっており、想像以上に介護業界は、慢性的なローカル思考であることを痛感、、、

⇒ 年配の経営者は特にICTには関心が低いイメージ?

⇒ 小規模な事業所ほど関心が低い。年間21,000円が高いとの意見も、、、

⇒ 取り入れた事業所は4月で2社、5月で10社、6月で13社と徐々に増えているが、まだまだ、、、これが現実。

≪工夫≫

  • まずは各サービス依頼先TOP3の事業所に電話し、周知と導入の検討を依頼。各サービスのTOP3が導入するだけでも負担は軽くなる為。
  • 来社する事業所やサービス調整する際の電話で、地道に周知と導入の検討を依頼。とにかく周知と自分たちのスタンスを伝える。
  • とにかくブログでUPし、考え方や価値を発信。

⇒ 若い経営者ほど動きが早く、メリットと感じるとすぐに導入する傾向。

  • 230社に310名分の提供票をケアプランデータ連携システムで送信したところ、かかった時間は30分程度。1日がかりから30分に!時間の節約!事業所番号ごとの送信の為、誤送信がない。
  • 送信失敗でも成功でも、全事業所に送っているのでかかる時間は変わりません。全事業所がケアプランデータ連携システムを取り入れてくれれば、30分で提供票送付を終えることができる。

  • ドラッグ&ドロップとワンクリックで、60名の実績の取り込みができ感動!時間は数分。本当にすごい!7月の実績は100名近くがデータ連携できている。

  • 画像のように予定と異なる実績の場合は、新たに一行プラスされる。しかも「0単位」の付属品まで実績として入ってしまう。これはすごい。
  • 紙からデータに代わることで、無駄な資源(紙や電力等)を削減できることはSDGs。企業だからできる取り組み。

※毎月10,000円~20,000円の郵送代が、今後減ると予測できる。

※紙代や印刷したものをシュレッダーする手間が減ると予測できる。

【まとめ】

≪学び①≫

  • ケアプランデータ連携システムがどんなに便利でも、皆が取り入れなければ価値は発揮されず費用対効果の低いものになってしまう。
  • ケアプランデータ連携システム等、最低限のICTの価値に気づけなければ、もはや時代についてはいけない。
  • 時代についていけない企業の社員は、残念ながら効率の良い仕事ができず無駄な時間、労力、コストを使うことになる。

≪学び②≫

  • 周囲と歩調を同じくしても会社の規模等で危機感は異なる為、経営者が無駄を省く努力と、時代に合わせて変われる柔軟な思考が必要。
  • 今後は、サービスの質だけではなく、負担を削減してくれる事業所が選ばれる事業所になるのでは?

≪良かったこと≫

  • ケアプランデータ連携システムを早く取り入れたことで、どの程度、無駄が省けるのかがわかってきた。
  • 徐々に無駄が省かれていくことでスタッフも喜んでくれている。スタッフ自身が仕事の質の高さを認識できる。

≪今後取り組みたいこと≫

  • 空いた時間は、利用者との相談業務や調整業務の時間に充てる。
  • ケアマネ同様に事務員の労力が削減される為、別の業務に時間を充てることができる。ケアマネがやる必要のない業務を事務員に移行することで、よりケアマネの時間を削減することができる。
  • 今よりも有給を取得してもらう(プライベートの充実)
  • 出られなかった研修等への参加
  • 社内でのスーパービジョンの充実
  • 担当利用者数を増やす等

【これから実践をしようとしている方へ】

  • ICTは仕事を円滑に進める為にとても役立つツール。
  • 便利なツールは沢山あるので、怖がらずにとりあえず使ってみる。
  • 負担が減れば、スタッフが喜ぶ(*´▽`*)