ケアマネジャーの介護報酬の逓減制、45件から適用を考える

要介護換算40件目から減算だったものが、45件目からにすることで、どんなメリットとデメリットがあるのか?

令和3年度介護報酬改定で居宅介護支援の議論もされていますが、ここ最近の進捗で注目したいのは、45件目からの逓減制です。

今まで居宅介護支援では、要介護換算39件が上限であり、40件目から逓減性(減算)が適用されていました。ケアマネジメントをきめ細かく行う為には、この件数が妥当ということだと思います。現在の40件目からの逓減性が適用されたのは平成18年4月~です。

最近、ケアマネジャーは受験資格の厳格化や、多忙な割に給与が低い等の理由により、受験者数の減少と付随し合格者数の減少が顕著になっています。

『正に人材難』

今後も続くと思われますが、逓減制(減算)が40件目からではなく45件目にするという(案)ですが、実際にどんなことが予想されるのか?

メリット

逓減制(減産)適用が、40件目ではなく45件目からになる事で、収益がUPすることは間違いありません。居宅介護支援の売り上げは多くはありません。居宅介護支援は法定事業の中では万年赤字事業であることは周知の事実です。それほど介護報酬が低いのです。

報酬が安いことで独立した事業にならず、併設サービス頼みの売り上げ思考になり、公正中立を大きく損なう根源になっている大きな理由でもあります。

要介護換算44件目まで担当できれば、売り上げを今まで以上に伸ばすことができます。6万~10万円程のUPが可能となります。大したことがないように見えて、これは結構大きいです。

仮に、

一人が月の売り上げ5万UPしたら年間で60万です。
一人が月の売り上げ10万UPしたら年間で120万です。

見方を変えると、特定事業所加算Ⅳとまではいかないものの、それに近い売り上げUPが見込めます。

デメリット

明らかな業務負担です。要介護換算39件担当するだけでも、それなりの負担ですが、年々煩雑になるケアマネジメントプロセスをクリアーしながらの件数を増やすことは容易ではありません。

担当者会議等は、更新時、状態が変わらないにもかかわらず、「必要なのか?」とつくづく感じてしまいます。

状態の変わらない利用者への定期訪問は必要あのか?

電話じゃダメなのか?

コロナ禍で訪問でのモニタリングから、電話モニタリングに変更している利用者が多数いますが、事足りると感じるケースは非常に多いです。

煩雑なケアマネジメントプロセスを要介護換算44件にするのは、それなりの業務負担があります。

まとめ

これを機にケアマネジメントプロセスを見直してほしいです。

今後もケアマネの人材難が続くことは間違いありません。かといって、居宅介護支援の介護報酬が著しくUPする等ありえません。

報酬は上がらない、人材難、この状態で事業としての発展性は乏しいこと間違いありません。それでいて安易に上限を上げても大してうまく回らないことは確実と感じます。であれば、ケアマネジメントプロセスの見直しが必要です。

現在コロナ禍でのケアマネジメントは、通常とは異なる柔軟な運営基準で業務運営を行っています。
落ち着いている利用者の定期訪問や担当者会議を電話やメールでできることで、大幅に業務の効率が上がります。

コロナ禍での柔軟化されたケアマネジメントプロセスを、今後も継続し、オフィシャルにしてもらえると本当にありがたいです。

色々な弊害はあるのでしょうが、現実的に考えてICTの活用等でまだまだ無駄を排除できると思うし、付随し効率性を求めることはできると考えます。